エフェクターを繋げる順番は、複雑のようですが、実際は一つだけ理解すれば大丈夫です。
それは、「エフェクターは受信した音にエフェクトをかける」という超シンプルなことです。
例えばギターからファズに繋げるとファズが効いた音になりますよね、そしてその次にワウに繋げたとしたら、ファズが掛かった音にワウが適応されて、不思議なシンセっぽい音になります。

ファズとワウの位置を逆にすると完全に違う音になります。
既にワウが掛かった音にファズが掛かるからです。あれ?当たり前すぎて馬鹿にされてる様な気持ちになりました?笑 失礼しました。

ファズ等のディストーション系エフェクトは、入力レベルが高ければ高いほど強くエフェクトがかかります
なので、ギター本体のボリュームノブを下げるとディストーションが弱まりますよね。

そしてワウは、ペダルでコントロールした特定の音程や音域のみの音量を上げる仕組みです。
なので、ワウをファズの前に置くと、ワウペダルによってディストーションの掛かり方にも影響がでてきて、より効果的に聴かせることができます。
このワウをファズよりも前に置くパターンの方が、ほとんどのギタリストの好みです。

でも、本当はルールなんてありません。エフェクターをおかしな順番に接続してからといって、エフェクターが壊れるというようなことはありません。(私が想像できる限りでは)
とにかく実験することが最も大切で、各エフェクトの特徴を知って、色々試して遊んでいると面白い結果を楽しめるはずです。

という前提でですが、定番とされる接続順番はいくつか存在します。
その中のひとつがこちらです。

定番のエフェクター接続順

1)フィルター系エフェクト

定番機種:
BOSS PH3 (フェーザー)
Dunlop Crybaby Wah Pedal (ワウ)

これらのエフェクトは、特定の音域をブーストしたり削ったりします。
ディストーションの前に配置すると、各音域にかかるディストーションの強度を変動させることになります。

2)コンプレッサー

定番機種:
MXR Dynacomp
Keeley Compressor

コンプレッサーは一番最初に接続したほうがいいと言うギタリストも結構いますが、フィルター系の後に置くメリットがあります。
フィルター系エフェクトはタイミングによっては全体の音量がさがることがあります。(ワウをかかと側に踏んだときと
か、 フェーザーのくぼみ的な瞬間とか)。コンプレッサーをフィルター系の後に配置すると全体的な音量を一定に保つことができます。

3)ディストーション系エフェクト

定番機種:
Boss SD-1 Super Overdrive(オーバードライブ)
BOSS BD-2 Blues Driver (オーバードライブ)
Ibanez TS-9 (オーバードライブ)
Electro-Harmonix Big Muff (ファズ)
アンプのプリアンプ

オーバードライブやディストーションのエフェクター、もしくはプリアンプのディストーションはフィルター系よりも後に繋げた方がよりナチュラルな音になります。一般的にはワウの後にディストーションが来ます。逆の配置だと、かなり強烈な音になり、特殊なジャンルじゃないかぎり使い所はほとんどないはずです。

ディストーションの前に軽くEQをかますのもお勧めて、そうするとディストーションのキャラクターを変えることができます。
例えば、ディストーションの前にEQで高域をブーストさせて、ディストーションのEQで高域を下げると、高域に対するドライブが強い状態で、出音のバランスは取れている感じになります。

ディストーションは、エフェクターペダルではなくてアンプの中のプリアンプかもしれません。
お使いのアンプにfx loopがあれば、アンプのディストーションを使いつつ、ここから先に書くエフェクトもディストーションの後に使う事ができます。

4)イコライザー

定番機種:
BOSS GE-7 7Band EQ
MXR M108 10Band EQ

グラフィックEQやパラメトリックEQは、リード用の音とリズム用の音を使い分けるためや、単純にオーバードライブのより細かいコントロールのためにここに配置されることが多いです。
例えばハイゲインのドンシャリサウンドを作るならここのEQでミドルを削り、サンタナ的なクリーミーな音にしたい時は、高域を削ります。

EQはディストーションの前に配置して、ディストーションのキャラクターを変えることができます。低音をディストーション前に削って、6弦目あたりをタイトにするためによく使われます。詳しくは、プリEQについてのページをご覧ください。

5)ピッチ系エフェクター

定番機種:
BOSS PS-9 Harmonist(ハーモナイザー)
Electro-Harmonix Octave Multiplexer(オクターバー)
Digitech Whammy Pedal(ピッチシフター)

ピッチ系エフェクトの中でもハーモナイザーはディストーションの後に配置した方が吉です。
ハーモナイザーを先に通すと、ディストーションの内部で変に加工されて余計な低音が加わるからです。

ピッチシフターも最近では本当にクオリティの高いものが増えてきましたが、まだ大半は、元の音をゼロにしてエフェクトがかかった音だけにすると、ちょっと機械っぽい変な音になってしまいます。
この用に元の音を残さずに使う場合は、ディストーションの前に配置したほうがその不自然な音色を誤魔化しやすくなるのでオススメです。

6)モジュレーション系エフェクター

定番機種:
BOSS BF-3 (フランジャー)
Electro-Harmonix Small Clone(コーラス)

フランジャーやコーラスエフェクトは、フィルターとディレイとピッシシフターをそれぞれ微量づつ組み合わせたものです。
それぞれのエフェクトが微量なので、ほとんどの場合でディストーションとエコー系の間に繋ぎます。

7)レベルコントローラー

例:
BOSS TR-2(トレモロ)
Ernie Ball #6181 Volume Pedal Jr(ボリュームペダル)

ノイズゲート、リミッター、ボリュームペダル、トレモロ、パンニングなどのレベルコントロール系エフェクトをエコー系の前に配置するとナチュラルな反応を得ることができます。
例えば、コードをジャーンと弾いたとして、ボリュームペダルで素早くフェードアウトさせたとしたときに、エコーの残響だけは続いていて欲しいですよね。
もし、エコーがボリュームペダルよりも先に繋げられていたら、ギターの音がピタと消えると同時にエコーを止まります。これはアンプの電源を突然落としたときくらい不自然です。笑

8)エコー系

定番機種:
tc electronic Hall Of Fame(リバーブ)
Strymon blueSky Reverb(リバーブ)

ディレイやリバーブは通常一番最後に繋げて空気感をある部屋で弾いてる様な音を演出します。

自分で音作りをするのが面倒になったら、POD HD Manのパッチセットをお試しください。