私の経験上、POD HDをスタジオやライブで使うとき、最もいい結果を出してくれるのはパワーアンプと組み合わせることです。ここでは、そもそもパワーアンプって何だって話と、POD HDの色んな接続方法について説明します。

パワーアンプってなに?

パワーアンプは、スピーカーから音を出すために必須のパーツで、
あらゆるオーディオ機器に内蔵されています。
ギターアンプも例外ではなく、一般的なアンプはこういう作りになっています。
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アンプの中に3つのパーツがあり、
「プリアンプ」→「パワーアンプ」→「スピーカー」
という順番に電気が流れます。

それぞれのパーツの役割としてはこうです。

プリアンプ:エコライザーやゲインなどの摘みがありユーザーが音色を調整する
パワーアンプ:その音(電気)を増幅してスピーカーから流せるレベルに持ち上げる
スピーカー:実際に音を出して人間に聞こえるようにする(これ書く必要ないか笑)

ユーザーが実際に音色を意図的に調整できるのはプリアンプの部分だけですが、
パワーアンプもスピーカーも、メーカーや型番によって全然音の感じが変わってきます。

そのため、下のようなスタック型のアンプでは、プリアンプ+パワーアンプを内蔵したヘッドと、
スピーカーのみを内蔵したキャビを色々組み合わせて好きなサウンドを探ることができます。
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補足:
コンボアンプでもスピーカーのみを交換して冒険するのもありです。
また、ヘッドアンプの中の真空管を別のものに交換するとまた違った音色を楽しめたりもます。

そして更に、ヘッドアンプをも分割してしまったのがラック式アンプです。
POD HDは「プリアンプ」なので、この様に、別のパワーアンプと組み合わせて、スピーカーから音を出すことができます。図ではラック式のプリアンプを出していますが、POD HD500等、他の型番でも同じようにパワーアンプに接続してキャビから音を出すことができます。
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POD HDは色んな接続方法がありますが、
上の図にもあるラック式が個人的に一番オススメです。

ギター→POD→パワーアンプ→スピーカー

これが一番おすすめだという理由は、
・チューブパワーアンプを使用するとプリアンプがデジタルだとは思えないチューブアンプサウンドになる
・機材が少なくて済む(移動が楽)
・自宅の練習、リハスタの練習、ライブ、レコーディングのどれでもこのリグで完結する
からです。

有名なギタリストもどんどんこのようなリグに移行しているようです。
が、それ以外の接続方法も軽く説明しておきます。

POD HDのいろんな接続方法

ギター→POD→アンプ

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POD HDをマルチエフェクターと同じ感覚で接続するとこうなります。
が、これだとプリアンプを二回通ることになります。ギターアンプのプリアンプは、どれだけフラットな設定にしたとしても、そのプリアンプ独自の音色というのを持っていて、通過させるだけでも音に大きな影響を及ぼします。この繋げ方は、出音がPOD HDのヘッドホンで聞いたときよりも大分変わってしてしまうことが多いです。

ギター→POD→PAシステム

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これは音色的に最もPOD HDそのものの音に近い結果になります。
が、以下のような欠点があります。
・リハスタの場合、ボーカルやキーボードもPAから出すと音が潰れる
・小さい箱でのライブの場合、最前列のお客さんにはギターが聞こえづらい
(PAシステムのミキサーも一応プリアンプなんですが、これはどの道最終的に通すことになるので気にしないでおきましょう)

ギター→アンプ→POD(FX LOOP)→アンプ→スピーカー

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図が汚くなってきましたね。すみません。
大抵のアンプにはFX LOOPという回路が用意されていて、プリアンプとパワーアンプの間に空間系エフェクターを挟めるようになっています。これを利用してPOD HDのエフェクトを挟むということもでき、例えばアンプの歪み系エフェクトを使って、POD HDの空間系エフェクトを使うことができます。

ギター→POD→アンプ→POD(FX LOOP)→アンプ→スピーカー

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またまた酷い図ですがお許しください。
応用編として、このfour cable methodというのがあり、例えば、PODのオーバードライブ系のエフェクトをアンプ前に挟み、アンプのプリアンプを通して、その後にまたPODの空間系エフェクトを挟むということができます。

ギター→POD→アンプ(FX return)→スピーカー

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この用にPODから、アンプのプリアンプだけを無視して直接アンプのパワーアンプにつなげることもできます。
これは別のパワーアンプを使うのと全く同じ効果が得られるのでオススメです。

というわけで、ここまでが接続方法とパワーアンプの基本知識です。
次回はPOD HDと相性がいいパワーアンプ達を紹介したいと思います。

自分で音作りをするのが面倒になったら、POD HD Manのパッチセットをお試しください。