私がCab Parameterをいじり始めた当初、これをいじるのに適切な順序というかタイミングが存在するのではないかと考えていたのですが、いじっているうちに、各パラメータが他のエフェクトの効き方にも影響を及ぼすことに気がつきました。なので、Cab Depを触りつつ他のコントロールもそれに合わせて調整していくのがベストだと思います。

これらのパラメータをいじりながら音作りをする時は、耳がすぐ慣れてしまうので、いじる前にパッチを複製して片方だけ調整して、その後で二つのパッチを切り替えてどっちがいいのかを聴き比べる形で進めるのことをオススメします。

cab parameters

Low Cut

周波数を指定できるハイパスフィルターで、低域のはじっこを切り捨ててくれます。
私は普段これを使わず、シグナルチェーンの最後にMid Focus EQを使って、同じことをするほうがやりやすいと思います。Mid Focus EQなら周波数だけでなくQも設定できるので便利です。

でも、デュアルキャビテクニックを使っているときはLow Cutを使います。
Treadplateなどの低音が強いアンプを使う場合、それぞれのキャビでlow cutをバラバラになるように調整して、よりバランスをよくしたり、アンプのbassのツマミの反応を変えたりします。
例えば、Hiwayのキャビで、low cutを120HZまであげて、アンプのBASSのツマミを上げてパンチをだしたりできます。
そして、XXL V-30のキャビのほうでは、low cutを60〜75HZに抑えて、深めの低音を作ります。

あと例えば、TreadとHiwayのキャビを組み合わせるときは、treadplateの方だけlow cutを300〜400HZにして、Hiwayの低音の邪魔にならないようにします。
そして、Hiwayの方のアンプのTREBLEとPRESENCEを下げて、Treadplateの高音の邪魔にならないようにします。
曲をミックスするときに、各楽器にちゃんとスペースを空けてピークのレンジを振り分けてあげると同時にそれぞれがブレンドされて一つの塊として聞こえるようにするのと似ています。

Res. Level

キャビのレゾナンスのレベルを調整できます。キャビにどれくらい圧力をかけるかというイメージです。
低めの設定では、スピーカーの倍音にはあまり影響がなく、乾いていて、ちょっと空洞っぽい音になることがあります。
高く設定すると、スムーズな音になりますが、コンプレッサーがかかった感じになり、タイトさが減ります。
Res Level は、ThumpとDecayのパラメータの効き方にも変化を及ぼします。あとで解説しますがThumpとDecayは、レゾナンスの味付けのような感じです。

このパラメータの位置は大きくわけて3つのゾーンに分けることができると思います。
低めの設定では、トーンが一番クリーンでさが、ちょっとラフな音になります。
アンプやキャビによっては、ラフというより乾いた音になることもあります。
Res Levelをあげるにつれて、音が凝縮されてきます。
ラフさがスムーズさに変わってくるので、一番おいしい位置を探すのが大事です。
上げすぎると、レゾナンスが音を乗っ取りはじめて、一部の周波数がブーストされて、また一部の周波数がカットされます。
そして、どんどんクリアさがなくなり、ノイズっぽい音近づいていきます。
極端な設定はおかしな音になるという印象です。

私の場合は、低くても25%、高くても70%までにしています。ほとんどの場合が50%くらいです。
個人的には、HiwayとTread V-30のときはちょっと下げて、XXLのときはちょっと上げるのが好きです。
そうするとHiwayの高域がもっと乾いた音になり、Tread V-30は、プレセンスが緩和されてちょっとクリアな音に近づきます。

XXLは、Res. Levelを上げると中域が若干ブーストされ、50%の状態より空洞感が減ります。でも滅多に60%以上に設定することはありません。
デュアルキャビで使うなら50%くらいか、ほんの少し上げるくらいが丁度いいと思います。
キャビの特徴を強調して、抜けのいい中域を足してくれます。

HiwayとTreadplate単品だとバランスの悪い音になってしまうかもしれませんが、暖かみとパンチのあるXXLと組み合わせれば、Res. Levelをあげた時の方が、よりリッチなサウンドに仕上がります。
これも、プリEQテクニックのように、ディストーショントーンの性質を変える一つの手だと言えます。
もし、プリEQのテクニックを実践してもなかなか自分の思うような音作りができない場合、これをいじってみるのもいいと思います。
過去に私が作った音で、バッキングには使えるけど、リードにはちょっとキツすぎる音がありましたが、ここを調整することで劇的な改善をすることができたこともあります。
具体的に書くと、このパラメータを下げるとコンプレッサーが弱く、より明るいトーンになります。
その状態で、アンプの前にコンプレッサーを足して、アンプの前で高音を少し抑えるのです。
結果的にコンプレッションの量は同じくらいですが、リズムパートとリードパートで一貫性のある音にできました。
リードの時にもそこまでチリチリしていなくて耳に痛くもなく、リズムのパートではちゃんと明るくクランチーなサウンドにすることができました。

Thump

これはレゾナンスが、低音の周波数範囲にも影響するかどうかをコントロールできます。
ドスドスとした低音のレスポンスが欲しければ上げて、低音がキツすぎると思ったら下げて見てください。
個人的に、アンプのEQのBASSのつまみよりも、Thumpの方が効果的にパンチを加えれると感じています。
BASSのツマミは、かなり低い領域の低音をブーストして音がモコっとします。
普通は、BASSを上げてThumpを下げてモコモコ感を削ろうとすると思いますが、逆にBASSを控えめにしてThumpでパンチを足した方がいい結果になると感じています。

Decay

レゾナンスがどれくらいの時間維持されるか、というイメージです。
リバーブエフェクトのDecayパラメータと似ています。
下げすぎると音が細くなり、上げすぎるとニセモノっぽい変な音になります。
音を太くしたいときはなるべく上げるようにしていますが、70%を超えるあたりからちょっと様子がおかしくなってくるので、大抵の場合は50%〜70%の間にしています。

自分で音作りをするのが面倒になったら、POD HD Manのパッチセットをお試しください。