dual amps
POD HDではデュアルアンプといって、二つのアンプを同時に使かえる機能があります。
便利そうに見えますが、実は私はほとんど使っていません。

理由はハイゲインアンプでは特に音をシングルアンプのときよりも良い音にすることがかなり難しいからです。
それに加えて、DSPの消費量も増えるので、使えるエフェクトの数が減ってしまいます。
私も最初は、「二つのアンプを組み合わせられるなんて、きっとフルレンジなサウンドが作れるんだろうな!」とワクワクして挑みましたが、その予想は大間違いでした。
結果的に、どうしても二つのアンプが喧嘩しあってしまい、グシャ〜っとした汚い音になってしまうのです。

但し、そういうふうにならない使い道もありますのでここ紹介したいと思います。

攻略法その1:ステレオ化する

デュアルアンプで、音をぐしゃっとさせない一つの方法は、アンプをひとつづつ左右に振り分けることです。
こうすれば、デュアルアンプでもいい音が作れます。

が!致命的な点として、常にステレオでないといけないということです。
特に、レコーディングをするとき、ダブルトラッキングをして一つのトラックを右、もう一つを左という風に分けると、結局ステレオシグナルが左右に固まって、モノラルと同じことになってしまい、またぐしゃっとした音になります。

攻略法その2:音域を振り分ける

ステレオにせずにデュアルアンプで良い音を作る方法は、一つ目のアンプでは完全に聞こえない周波数をもう片方のアンプで鳴らして、音域を振り分けるやり方です。
つまり、低音担当のアンプと、高音担当のアンプに分けるということです。

もしくは、片方のアンプでは中域をガッツリ削って、もう片方で中域だけの音にするという具合です。
でも、結局これは二つのアンプを混ぜているというより、二つのアンプを部分的に組み合わせているだけなので、あまりデュアルアンプという言い方がしっくりこないと個人的に感じています。

攻略法その3:ゲインのレベルを振り分ける

もう一つのアプローチとして、ゲインのレベルを振り分ける、というのもあります。
片方のアンプが通常のゲインの設定で、もう片方のアンプは、うっすらゲインをかけてクランチ系の音にします。
こうすればディストーションがたっぷりかかっているのにクランチーなサウンドを作ることができます。

でも、正直そこまで良いと思える音は作れませんし、そこに到達するのにはかなり苦労しそうです。音作りにかかる時間と、DSPの消費を考えると、デュアルアンプは使わない方がいいんじゃないかと思います。

但し、一つだけ例外があります。。。

攻略法その4:片方のアンプを無効にする

それは片方のアンプの”amp disable”(アンプを無効にする)の設定にするのです。
そうすれば無駄なDSPコストはありません。
アンプを無効にした音は当然クリーンサウンドになりますが、これを聞こえるか聞こえないかギリギリの音量にして、もう片方のアンプで鳴らしているディストーションサウンドに張りを与えることができます。

でも正直この技もなかなか難しく、失敗する可能性の方が成功する可能性より高いです。
やるのであれば、過剰なアタックや明るすぎるクリーンサウンドを避けるために、アンプを無効にした方のチャンネルにうっすらEQとコンプレッサーをかけることをオススメします。
というか、これはもはやデュアルアンプじゃないですね。笑

デュアルキャビ

さて、ここまでデュアルアンプの愚痴のような内容を書いてきましたが、アンプは同じでキャビだけを2種類つかう、通称「デュアルキャビ」というテクニックがあります。これは非常ーにオススメな使い方ですので、また後日紹介したいと思います。

自分で音作りをするのが面倒になったら、POD HD Manのパッチセットをお試しください。